太閤秀吉が築いた初代大坂城の石垣を発掘・公開への取り組みと募金案内。

豊臣石垣コラム Vol.71

大阪城の撮影スポット 大手口付近からの眺望

今回も城の写真家、岡泰行さんによる“大阪城の撮影スポット”第6弾をお送りします。今回は大阪城の正面玄関、大手口付近を紹介していただきます。南外堀の高石垣の連続や大阪歴史博物館から望む大阪城の全景など、多くの方が写真撮影をしたことがあるスポットだと思いますが、でも“どこかが違う”。細部に配慮が行き届いた岡さんの写真をぜひ、ご覧ください。

今回は、大阪城の正面玄関、大手口付近の眺望を3アングルご紹介します。まず1枚目は、六番櫓と南外堀の眺めです。南外堀は、玉造口から大手口を結ぶ二の丸の南側にあり、幅は約75m、石垣の総延長は約2kmもある広大な水堀です。城内側の石垣上には、大阪城の南側の弱点を補うかのように、一番櫓から七番櫓まで7棟の櫓が建ち並んでいましたが、戊辰戦争の大火や第二次世界大戦の空襲で5棟を失い、一番櫓と六番櫓が現存しています。

写真1.南外堀を睨む六番櫓と屏風折れの石垣

写真1.南外堀を睨む六番櫓と屏風折れの石垣

(レンズ焦点距離 35mm・35mm換算)

写真中央に見えるのは六番櫓。屏風折れの石垣が特徴のアングルです。ほんの一瞬の静かな時間を捉えました。

石垣の高さは約30m、日本の城で第二位の高さを誇ります(第一位は大阪城本丸東面石垣)。六番櫓は昭和40年の解体修理時に懸魚裏から「寛永五暦 辰拾月吉日」の墨書銘が発見され創建年代が1628年と特定されました。

この写真を撮るには、西日に映える夕方を狙いたいところですが、周囲のビルの影が六番櫓に落ちてしまうため、午後の比較的早い時間に撮影します。また、その時間帯はビル街や上町台地の風が流れ込みやすく、写真のように南外堀の水面が鏡面反射することは、殆どありません。風が無く、晴れの日の午後早め。もし、そういった日に大阪城を訪れていたら、是非、足を運んでみてください。

写真2.屏風折れの石垣

写真2.屏風折れの石垣

写真3.大阪歴史博物館10階から観る大阪城全景

写真3.大阪歴史博物館10階から観る大阪城全景

(レンズ焦点距離 24mm・35mm換算)

次の1枚は、大阪歴史博物館からの眺望です。写真中央に、天守や大手枡形虎口と千貫櫓、右手に六番櫓など、城域を見渡すことができます。近世城郭は高い所から見おろすとその規模が把握できます。ここからは大阪城の全景が望めるほか、国内最大級の規模を誇る大手枡形虎口をズームで捉えてみても面白いかもしれません(写真4)。ガラス越しに撮影するため、光の反射や映り込みの無い場所を探して撮るのがポイントです。

写真4.大阪歴史博物館から望む大手口

写真4.大阪歴史博物館から望む大手口

(レンズ焦点距離 95mm・35mm換算)

写真5.大手土橋から見る大手門や千貫櫓

写真5.大手土橋から見る大手門や千貫櫓

(レンズ焦点距離 38mm・35mm換算)

また、大手土橋からの風景もお勧めです。重要文化財の大手門、渡櫓や千貫櫓が見られ大阪城の正面玄関を印象付ける風景です。日中は人が多いため、夕暮れやライトアップ時などを狙って写真に収めると良いでしょう(写真5)。

撮影スポット

撮影スポット

写真1の撮影場所

写真1の撮影場所。右手の茂みに小道があり、やや入ったところが屏風折れ石垣の正面

大阪城公園では、重要文化財の焔硝蔵、多門櫓、千貫櫓を2019年11月24日(日)までの土・日曜日と祝日、特別公開が行われています。訪城の際には、足を運んでみてはいかがでしょう。

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