太閤秀吉が築いた初代大坂城の石垣を発掘・公開への取り組みと募金案内。

豊臣石垣コラム

大阪城の撮影スポット 西の丸庭園からの眺望 その3

今月も城の写真家、岡 泰行さんによる“大阪城の撮影スポット”第4弾をお送りします。紹介していただいていますように、西の丸の土塁の上を巡りますと、土塁の上に築かれていた土塀の礎石や大手口から京橋口にかけての景観、築城時に水を抜いた溝の閉塞石垣といわれている石垣などを見ることができます。ご来城の際にはぜひ西の丸庭園にも立ち寄り、西の丸からの大阪城を体感いただきたいと思います。

前回に引き続き、西の丸庭園からの眺望をご紹介します。

今回は、これまで書籍の表紙など数多くの媒体で採用されてきたお馴染みの写真アングルのご紹介です。大阪城は、本丸、二の丸を含めた城郭全体を囲う石垣の壮大さが、とても秀でた城です。堀越しに石垣と天守を望む、それらが集約された代表アングルと言っていいでしょう。眼前に高くそびえる本丸石垣と天守という構図で、春は桜とともに、夏は新緑とともに、秋は紅葉とともにと、いつ訪れても四季の豊かな色彩が愉しめます。

写真1.西の丸庭園から観る本丸石垣と天守

写真1.西の丸庭園から観る本丸石垣と天守

(レンズ焦点距離は35mm・35mm換算)

空堀の幅は約21m、眼前にそびえる本丸石垣の高さは約18mあり、石垣上には三重の櫓、数寄屋前櫓が建っていました。また、石垣上が広角になっているので片菱櫓だったと言われています。

撮影スポットへの道は次の通りです。西の丸庭園に入場すると、桜並木の道が北へ一直線に伸びています。左側が広大な芝生、道を挟んで右側は生け垣となっています。その生け垣を越えると小道があり、空堀を間近に見下ろすことができます。しばらく小道を進むと、眼前にそびえ立つ本丸石垣と天守が望める撮影スポットがあります。

撮影スポット

撮影スポット

写真2.空堀脇の小道、右手は本丸石垣

写真2.空堀脇の小道、右手は本丸石垣

さて、西の丸でもう1枚。二の丸の西側には、大手から京橋口までの間に、千貫櫓と乾櫓がありますが、その間にもうひとつ櫓がありました。それが坤櫓(ひつじさるやぐら)です。「坤」は南西を意味するネーミングです。千貫櫓と同規模の隅櫓でしたが惜しくも昭和20年(1945)の空襲で焼失しました。その櫓跡に立つと、西外堀の幅(約65m)が実感でき、約200m先にある大手土橋や千貫櫓がよく見渡せます。あまり知られていないこの場所ですが、石垣と水堀のスケールが体感できる場所です。一度、訪れてみてはいかがでしょうか。

坤櫓跡から望む大手口。左手は二の丸石垣、正面は大手土橋

写真3.坤櫓跡から望む大手口。左手は二の丸石垣、正面は大手土橋

(レンズ焦点距離は27mm・35mm換算)

写真4.坤櫓跡、中央の石垣は櫓台

写真4.坤櫓跡を城内側から。中央の石垣は櫓台

写真5.二の丸の内側塁壁は芝土居

写真5.二の丸の内側塁壁は芝土居

坤櫓跡を城内側から見ると、中央に櫓台の石垣があり、ちょうど前回の乾櫓の城内側と同じように、両脇に石階段の雁木が設置されています。さらに周囲を見渡してみましょう。本丸の内側塁壁は、ほとんどが雁木と石垣で造られているのに対して、二の丸の内側塁壁は、芝土居であるのが分かります。よく見ると芝土居の下部は石垣で巻かれています。

次回は、西の丸庭園を出て、玉造口へと足を運んでみましょう。

豊臣石垣の公開施設に、あなたのご寄附を

ふるさと納税で応援

大坂城 豊臣石垣公開プロジェクト
昭和59年に発見された豊臣時代の石垣の公開施設に
皆様のご支援をお願い申しあげます。